※当ブログでは20歳以上の方を対象に、適切な飲酒の楽しみ方を紹介しています。未成年者の飲酒は法律で禁止されています。
酵母とホップの掛け算が織りなす、未知なる味わいの世界。
Totopia Breweryの「ビーズフォビア」は、サワーIPAというニッチなスタイルに、ドライホップを重ねて造られた意欲作です。
その名が示すように、少しクセがありそうな気配。でも、勇気を出して踏み込めば、驚くほど調和のとれた景色が広がっていました。
🍺 基本情報
項目 | 内容 |
---|---|
スタイル | ドライホップドサワーIPA |
アルコール度数 | 6.0% |
色合い | 深みのあるルビー〜赤ワインのような赤色 |
特徴 | ベリーのような酸味とホップの苦味が調和した個性派 |
醸造元 | Totopia Brewery(トトピアブルワリー) |
所在地 | 新潟県上越市 |
鮮やかな赤が放つ、意外性の第一印象

グラスに注いだ瞬間、目を引いたのはその色合い。
サワーIPAと聞いて、淡い黄色を思い浮かべていた自分の予想を裏切るように、液体は濃いめのルビー色。
赤ワインを思わせるような、深みのある色が印象的です。
泡立ちは控えめで、わずかにピンクがかった泡が表面に薄く乗る様子は、どこか妖しさすら感じさせるビジュアル。
「普通じゃないかもしれない」という第一印象が、このビールの個性を際立たせています。
鼻先に広がる、ベリーとシトラスのマッシュアップ
グラスを傾ける前に、そっと香りを確かめてみます。
まず飛び込んでくるのは、鮮やかなベリー系の酸。ブルーベリーやラズベリーのようなフルーティな香りに、少し青いハーブのようなニュアンスも混ざっています。
そこにホップ由来のシトラスや松の香りが重なり、香りの層が複雑に入り組んでいます。
サワー由来の乳酸のような酸もほんのりと香り、全体としてはかなり個性的。それでも、不思議と心地よくまとまっています。
すっぱ苦いのに、癖になる味わい
口に含むと、まず感じるのは心地よい酸味。尖っているわけではなく、柔らかく、広がるような酸が舌を刺激します。
そのあとにやってくるのが、IPAらしいシャープな苦み。この両者が交互に押し寄せてくることで、飲み飽きない複雑さが生まれています。
ボディは軽やかで、甘さはほとんど感じられません。その分、ドライで切れ味のあるフィニッシュ。
温度が上がると赤い果実感が際立ってきて、ワインのような余韻も楽しめます。
この一杯に寄り添う食卓
ビーズフォビアの酸味と苦み、そしてフルーティな香りは、料理との相性にも幅広さをもたらします。
特におすすめのペアリングは以下の通り:
- 鴨のロースト:酸味と果実味が、鴨の旨味と好相性
- ブルーチーズ:クセとクセが引き立て合う絶妙なマリアージュ
- 赤キャベツのピクルス:酸味を重ねて、すっきりとした食中酒に
- ベリーソースを使った肉料理:風味の一体感が楽しい
⭐️ 星評価
評価項目 | 星評価 | コメント |
---|---|---|
見た目 | ⭐️⭐️⭐️⭐️☆ | 赤ワインのような深い色味が印象的。泡もほんのり赤みがかって美しい。 |
香り | ⭐️⭐️⭐️⭐️☆ | ベリーと柑橘が混ざり合った複雑なアロマに、ほのかな酸が心地よい。 |
味わい | ⭐️⭐️⭐️⭐️⭐️ | 酸と苦味の絶妙なバランス。クセになる完成度の高い味わい。 |
喉ごし | ⭐️⭐️⭐️⭐️☆ | ドライでキレがよく、後味もすっきり。アルコール感も控えめで飲みやすい。 |
総合評価 | ⭐️⭐️⭐️⭐️☆ | 飲む人を選ぶが、刺さる人には深く刺さる。記憶に残る一杯。 |
初めての感覚、だけどまた飲みたい
「ビーズフォビア」は、いわゆる飲みやすいビールではないかもしれません。
けれど、挑戦的なスタイルを見事に調和させ、飲み手を飽きさせない構成力は見事。
一度味わえば、思い出に残る一杯になるはずです。
酸っぱくて苦くて、だけど美味しい。そんな矛盾をそのまま楽しむ余裕が、クラフトビールの醍醐味だと改めて感じさせてくれました。
旅先で出会ったような、忘れられない余韻
Totopia Breweryのある新潟県上越市は、日本海の穏やかな海辺と、静かな町並みが広がる場所。
そんな土地で生まれたこのビールには、どこか旅の余韻のような余白がありました。
派手ではないけれど、芯のある表現。
飲み終えた後も、しばらくその余韻に浸っていたくなるような不思議な魅力が、そこにありました。
※未成年者の飲酒は法律で禁止されています。お酒は20歳になってから、適量を守って楽しみましょう。
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