※当ブログでは20歳以上の方を対象に、適切な飲酒の楽しみ方を紹介しています。未成年者の飲酒は法律で禁止されています。
ひみつビールの限定銘柄「鬼ラッコサワー」。
その名前からして、ただのサワーエールでは終わらない予感がある。さらにラベルに踊る「milky triple sour ale」の文字。この一杯は、飲む人をどこへ連れて行くのか。
さっそく注いでみた。
基本情報
項目 | 内容 |
---|---|
スタイル | Milky Triple Sour Ale(トリプルサワーエール) |
アルコール度数 | 5.0% |
色合い | 濁りのある赤橙色(ややトロミあり) |
特徴 | 強烈な酸味、ミルキーな口当たり、ヨーグルト様の乳酸感 |
醸造元 | ひみつビール |
所在地 | 和歌山県白浜町 |
まるでトロピカルジュース?驚きの濁色

グラスに注いだ瞬間、液体のとろみと色合いに目を奪われる。
見た目は乳白がかった濁りのあるパイナップル色。細かく泡立つヘッドはやや控えめで、すっと静かに落ち着いていく。
まるでスムージーのような重たさを感じさせるビジュアルだが、それ以上に「これはビールなのか?」と思わせる存在感がある。
鼻をくすぐるのは柑橘と乳酸のハーモニー
香りを確かめると、まずはトロピカルフルーツのような柑橘感がふわっと届く。
そこに追いかけてくるのがヨーグルトのような乳酸の香り。この両者が思った以上に自然に絡み合い、独特の酸味と甘みを予感させる。
濃厚なのにさっぱりしていそう。そんな第一印象が鼻の奥に残る。
酸っぱい、でも甘い、でも酸っぱい――三層構造の味わい
口に含んだ瞬間、舌の上で一気に広がるのは鋭角な酸味。
「トリプルサワー」の名に恥じない酸の強さが真っ先に襲ってくるが、それに続くのはまろやかな乳酸と、じわっと残る優しい甘み。
飲み込んだ後にも微かにとろみを感じる口当たりがあり、「milky」の名前は伊達ではないと実感させられる。
このビールの面白さは、酸・甘・乳の三位一体が絶妙なバランスで成り立っている点だ。
ひとくちで完結せず、飲むごとに表情が変わる。重層的なのにくどさがなく、クセになる味わいだ。
合わせるなら、甘じょっぱい系で
この複雑な味わいの一杯には、シンプルな料理よりも少し個性のある食材が合う。
おすすめのペアリング:
- 塩味の強いチーズ(ゴルゴンゾーラやブルーチーズ)
- 鶏肉の照り焼き
- エスニック系のピーナッツソース炒め
- アプリコット入りのサラダ
特に、塩気と甘みが同居する料理が、このビールの酸と乳のニュアンスを引き立ててくれる。
甘さを和らげるというより、「あえてぶつけてみる」ことで面白い相乗効果が生まれる。
⭐️ 星評価
項目 | 評価 | コメント |
---|---|---|
見た目 | ⭐️⭐️⭐️⭐️☆ | 赤みがかった濁りとスムージー感が個性的。見ただけで驚かされる。 |
香り | ⭐️⭐️⭐️⭐️☆ | 柑橘とヨーグルトのような乳酸が同居し、嗅覚を刺激する面白さ。 |
味わい | ⭐️⭐️⭐️⭐️⭐️ | 酸・甘・乳の三層構造が素晴らしく、飽きずに飲み進められる。 |
喉ごし | ⭐️⭐️⭐️⭐️☆ | とろみはあるが後味は意外とスッキリ。次の一口が欲しくなる仕上がり。 |
総合評価 | ⭐️⭐️⭐️⭐️⭐️ | サワー好きにはたまらない個性派。記憶に残る名作のひとつ。 |
こんなビールがあったとは、と唸る挑戦作
ビールの世界は広い。ときに思いもよらない味の出会いがある。
鬼ラッコサワーは、そんな体験を求める人にこそ手に取ってほしい一本だ。
ただ酸っぱいだけじゃない、ただ濃厚なだけでもない。
三層構造の味わいが口の中で折り重なり、ふとした瞬間に「もうひと口」と手が伸びてしまう。
万人受けはしないかもしれないが、尖った魅力の中に確かな完成度がある。
このビールを「面白い」と思える人にとって、それはきっと忘れられない味になるはず。
今日はどんな冒険に出ようか
ビールの魅力は、その一杯に詰まった世界観にあると思う。
鬼ラッコサワーは、まさにそんな冒険心をくすぐるような存在だった。
まるで深海の奥から浮上してきたような不思議な味。飲み手を選ぶ一方で、選ばれた人には深く突き刺さる。
気づけばグラスは空になっていた。
でも、まだ舌の上に残るその余韻が、しばらく旅を続けさせてくれそうだ。
※未成年者の飲酒は法律で禁止されています。お酒は20歳になってから、適量を守って楽しみましょう。
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