ノースアイランドビール「ヴァイツェン」を飲んでみた

※当ブログでは20歳以上の方を対象に、適切な飲酒の楽しみ方を紹介しています。未成年者の飲酒は法律で禁止されています。

北海道・江別にあるクラフトビールの名ブルワリー、ノースアイランドビール。
今回ご紹介するのは、小麦麦芽を使った南ドイツスタイル「ヘーフェヴァイツェン」です。

「ヘーフェ（Hefe）」とはドイツ語で「酵母」、「ヴァイツェン（Weizen）」は「小麦」を意味し、酵母をろ過せずに残したことで、にごりのある優しい見た目と、酵母由来のバナナやクローブの香りが特徴的なスタイル。

北海道の穏やかな気候と、ノースアイランドビールの丁寧な造りが調和したこの一杯。
キャンプや読書、静かな時間に寄り添うような、心ほぐれるクラフトビールです。

✔️基本情報

グラスに注ぐと、にごりのある淡いイエロー。
その奥には、太陽の光をやさしく散らすような乳白色の輝きが見えます。

ふんわりと持続する泡が厚く、美しくグラスの縁を彩り、南ドイツの伝統を思わせる品の良さを感じさせます。
冷涼な北海道の地で、この丁寧な泡立ちが実現されているのは素直に感動です。

ヴァイツェン最大の魅力ともいえる香り。
ひとたび鼻を近づければ、バナナのような甘くトロピカルな香りがふんわりと立ち上がります。

その奥にはクローブや白コショウのようなスパイシーな印象もあり、単調ではない深みがあります。
小麦の柔らかなニュアンスと酵母の主張がバランス良く、まるでおだやかな日曜日の朝のような、やさしい立ち上がりです。

最初の一口は、驚くほどにまろやか。
小麦由来のふくよかな口当たりが舌の上をやさしく包み込み、すっと伸びていきます。

バナナやシトラスのようなフルーティーな甘みが広がる一方で、苦味はとても控えめ。
酵母のコクが程よいアクセントになり、最後までなめらかに流れていく味わい。

炭酸も強すぎず弱すぎず、心地よい喉ごしを演出してくれます。飲み終わったあとには、小麦の甘さがほんのりと余韻として残ります。

このビールには、優しさを引き立てるような料理がぴったりです。

・白身魚のカルパッチョ
・チキンのハーブソテー
・クリームチーズのカナッペ
・ふわっとした出汁巻き卵

あっさりとした素材や、香りを楽しむメニューとの相性がよく、食卓に静かに寄り添う存在になります。

ノースアイランドビールの「ヴァイツェン」は、ヘーフェヴァイツェンのスタイルに忠実でありながら、北海道という土地のやさしさがにじむような味わいでした。

バナナ香や小麦のまろやかさ、そして控えめな苦味とすっきりした後味。
どこか懐かしく、心を緩めてくれるビールです。

ビールに強さや刺激を求める日もあれば、こんなふうに静かに自分と向き合う時間に寄り添ってくれる一本が必要な日もある。
そんなとき、このヴァイツェンはそっと手渡してくれるのです。
「今日もおつかれさま」と。

※未成年者の飲酒は法律で禁止されています。お酒は20歳になってから、適量を守って楽しみましょう。