山の魔術師がくれた霞の一杯

MAHOW BREW

—In the Hall of the Mountain Magus / MAHOW BREW—

沖縄・那覇の街角にひっそりと佇むブルワリー、MAHOW BREW。
その名にファンタジーの香りを漂わせる「In the Hall of the Mountain Magus」は、飲み手をまるで霧に包まれた魔法の館へと誘う一杯です。

スタイルはDDHヘイジーIPA。ダブルドライホッピングによって、ホップの香りが幾重にも重なり、まるで魔術のように口の中で広がっていきます。今回はこの幻想的なビールを、実際に飲んだ体験とともにご紹介します。


🏷 基本情報

項目内容
スタイルDDHヘイジーIPA
アルコール度数6.0%
色合い濃いめのオレンジに霞がかった外観
特徴ダブルドライホッピングによる濃密なアロマと果実感
醸造元MAHOW BREW
所在地沖縄県那覇市

光の中に霞む黄金のシルエット

グラスに注ぐと、液色はやや濁りのある濃いオレンジ。
白くもふんわりとした泡が立ち上がり、光に透かせばその濁りの奥に金色のきらめきがちらつきます。ヘイジーIPAらしい霞がかった液体は、いかにもジューシーさを予感させてくれる佇まいです。

まさに山中に立ち込める霧を閉じ込めたような、そんなビジュアル。気分はもう、魔術師の館の扉を叩く直前。


柑橘と南国果実が踊る香り

グラスを近づけた瞬間、ぶわっと広がるトロピカルなアロマ。
マンゴーやパッションフルーツ、グレープフルーツの皮のようなジューシーでシャープな香りが一気に鼻腔を刺激します。そこに、ほんのりと松脂やハーバルなニュアンスも重なり、複雑で奥行きのある香りが広がります。

ホップ由来のこのアロマは、まさに“ダブルドライホッピング”のなせる業。魔術師の杖の先から放たれた香りの魔法に、完全に心をつかまれてしまいました。


濃密な果実味とやわらかな苦味の魔法

口に含むとまず感じるのは、完熟トロピカルフルーツのような濃厚な果実感。
ピーチやマンゴーの甘みが舌に広がり、続いて控えめながらもきちんと存在を主張する苦味が、味わいに引き締めを加えます。

アルコール度数は6.0とされますが、強さを感じさせるような刺激はなく、まろやかで飲みやすい。口当たりは非常にソフトで、炭酸も穏やか。まるで魔術師が調合したエリクサーのような、精巧でなめらかな飲み心地です。


どんな料理とも調和する万能型

この濃厚なヘイジーIPAには、味の濃い食事やスパイスを使った料理がよく合います。特におすすめのペアリングは以下の通り:

  • ガーリックシュリンプ
  • タンドリーチキン
  • パイナップル入りサルサとトルティーヤチップス
  • 炙りチャーシュー
  • スモークサーモンのクリームチーズ添え

トロピカルで濃密な果実感が、スパイスや旨味の強い料理と絶妙なバランスを生み出してくれます。


⭐️ 星評価

項目評価コメント
見た目⭐️⭐️⭐️⭐️⭐️霞がかった濃いオレンジ色とクリーミーな泡。魔法の霧のような幻想的なビジュアルです。
香り⭐️⭐️⭐️⭐️⭐️トロピカルな果実感に松脂のアクセント。香りだけで魔法にかけられたような印象。
味わい⭐️⭐️⭐️⭐️☆濃厚な果実味とやさしい苦味が絶妙。アルコール感は控えめで飲みやすく、丁寧なバランス。
喉ごし⭐️⭐️⭐️⭐️☆ソフトで滑らか。炭酸も穏やかでゆったりと楽しめる口当たり。
総合評価⭐️⭐️⭐️⭐️⭐️味・香り・ストーリー性すべてがそろった、魔法のような一杯。クラフトビール好きに強く推奨。

記憶に残る魔法のような一杯

この「In the Hall of the Mountain Magus」は、単に美味しいビールというだけではなく、飲むことで物語を感じさせてくれる一杯でした。
一口ごとに香りと味わいが変化していくような感覚。まるで魔術師の館の奥に進んでいくような、ミステリアスな体験。

沖縄・那覇という南の地から、こんなにも洗練されたDDHヘイジーIPAが生まれていることに、ただただ驚きです。クラフトビールの面白さと奥深さを改めて感じさせてくれました。


この一杯が連れてくる、旅の余韻

ビールとは、不思議なもので。
たった一杯のグラスが、遠い場所の空気や、そこで暮らす人々の熱量を伝えてくれることがあります。

「In the Hall of the Mountain Magus」は、そんな一杯でした。
那覇の街の片隅で生まれたこのビールは、口にするたびに新たな発見をもたらし、まるで旅先の夕暮れのような余韻を残してくれます。

クラフトビールの世界を旅するあなたへ、心からおすすめしたい一杯です。

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