※当ブログでは20歳以上の方を対象に、適切な飲酒の楽しみ方を紹介しています。未成年者の飲酒は法律で禁止されています。
羊蹄山のふもと、北海道・ニセコ町。豊かな水と大地に囲まれたこの土地で、紅茶の名店ルピシアが手がけるクラフトビールが造られているのをご存知でしょうか?
その名も「羊蹄山麓ビール」。今回はその中から、ホップの香り豊かなIPAを味わってみました。
ニセコという土地が育んだ、気品と骨太さを併せ持つこのビール。その一杯に感じた四季の気配と、風のように軽やかな苦味をお届けします。
✅ 基本情報
項目 | 内容 |
---|---|
スタイル | IPA(インディア・ペールエール) |
アルコール度数 | 6.0% |
色合い | 澄んだ琥珀色(ややオレンジがかった) |
特徴 | 柑橘系ホップの香りと程よい苦味、和の繊細さを感じるバランス型IPA |
醸造元 | 株式会社 ルピシア |
所在地 | 北海道虻田郡ニセコ町字元町436-2 |
グラスに注ぐと感じる、山の清らかさ

栓を開けてグラスに注ぐと、すっと立ちのぼるクリアな琥珀色。ややオレンジがかった落ち着いた色合いは、夕暮れの羊蹄山を思わせるようです。
泡立ちは細かく、ふんわりとしたベージュの泡がゆっくりとグラスの中に滞在します。
パッケージの控えめなデザインも、どこかルピシアらしい「和の静けさ」があって美しい。日常の中にさりげなく寄り添うような、そんな佇まいです。
柑橘とハーブの重なりが織りなす香り
鼻を近づけてみると、まずはグレープフルーツのようなみずみずしい柑橘香。その奥には、青草や松を思わせるグリーンなアロマが広がります。
ドライホッピングによるものか、香りは非常に立体的で、時間が経つごとにふわりとフローラルな表情も見せてきます。
お茶の香りを楽しむように、何度もグラスに鼻を近づけたくなる。IPAの持つ魅力を丁寧に引き出している香り立ちでした。
飲み口はやさしく、苦みはしっかり
ひと口目、ホップの爽快な苦味が舌を撫でて、すぐにすっと引いていきます。アルコール度数は5%前後と控えめで、全体的に飲み心地は軽やか。
それでいて、IPAらしい骨太な苦みが奥行きを与えてくれます。
モルトの甘みもほどよく感じられ、バランスの取れた味わい。アメリカンIPAのようなアグレッシブさではなく、日本らしい繊細さと上品さを備えたIPAといった印象です。
後味にはほんのりと渋みが残り、次の一口が自然と恋しくなります。
山の食卓を思わせるペアリング
羊蹄山麓ビール IPAは、和食にも洋食にも寄り添う懐の深さがあります。以下のような料理と合わせてみてはいかがでしょうか?
- 塩麹漬けの鶏もも焼き
塩気と旨味がホップの苦みによく合います。 - きのこのアヒージョ
オイルと香ばしさがビールのグリーンな香りと調和。 - カマンベールとくるみのサラダ
チーズのコクがIPAの爽やかさを引き立てます。 - 鮭と野菜の味噌ホイル焼き
北海道らしさ全開の一品とご一緒に。
ゆっくりと流れるニセコの時間に思いを馳せながら、食卓を彩ってみてください。
⭐️ 星評価(コメント付き)
項目 | 評価 | コメント |
---|---|---|
見た目 | ⭐️⭐️⭐️⭐️☆ | 落ち着いた琥珀色と柔らかな泡立ちが美しい、丁寧に仕上げられた印象。 |
香り | ⭐️⭐️⭐️⭐️☆ | 柑橘系に加え、松やハーブのような爽やかさ。時間と共に華やかさが開く。 |
味わい | ⭐️⭐️⭐️⭐️☆ | 控えめなアルコール感に寄り添うバランスの良い苦味とモルト感。 |
喉ごし | ⭐️⭐️⭐️⭐️☆ | 軽快でスムースな飲み口。苦味が後を引きつつも、重たくない余韻。 |
総合評価 | ⭐️⭐️⭐️⭐️☆ | 繊細で穏やかなIPA。日常に寄り添う、北海道の自然を感じる一本。 |
静かな場所から届いた、確かなクラフトビール
「ルピシアがビール?」と、少し意外に思う方もいるかもしれません。けれどその丁寧なものづくりの精神は、ビールにも確かに息づいていました。
華やかすぎず、地味すぎず。自然体で、でも芯がある。そんなIPAです。
特別な日というよりも、普通の一日にしっくりと馴染む味。仕事のあと、夕飯の前、ちょっと一息つきたいときに開けたくなる、そんな存在です。
羊蹄の余韻を、グラスに残して
今回いただいた「羊蹄山麓ビール IPA」は、派手さではなく、奥ゆかしさで魅せる一本でした。
華やかさや奇抜さを競うIPAが多い中で、このビールは静かな自信に満ちています。
「自然と調和するように、暮らしに溶け込んでくる味」
ニセコの大地とルピシアの美意識が出会って生まれたこのビールに、心から敬意を込めて。
次は雪の降る頃にまた飲んでみたい。そんな気持ちにさせてくれる、優しい一杯でした。
※未成年者の飲酒は法律で禁止されています。お酒は20歳になってから、適量を守って楽しみましょう。
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