静かなる観察者と、濃密な香りの冒険

インクホーンブルーイング


※当ブログでは20歳以上の方を対象に、適切な飲酒の楽しみ方を紹介しています。未成年者の飲酒は法律で禁止されています。

INKHORN BREWING「Birdwatcher」 HAZY IPA

東京・目白に拠点を構えるインクホーンブルーイング。彼らのビールには、どこか繊細で、知的な余韻がある。今回紹介する「Birdwatcher」は、その名の通り、静かに自然と向き合うバードウォッチャーのような感性が宿るHAZY IPAだ。

グラスに注いだ瞬間から、香りと色合いで心をつかみ、飲み進めるほどに個性が花開く──そんな一杯だった。


基本情報

項目内容
スタイルHAZY IPA(ヘイジーIPA)
アルコール度数7.0%
色合い淡いオレンジ色のにごり
特徴トロピカルなアロマ、まろやかな口当たり、しっかりした苦味
醸造元INKHORN BREWING(インクホーンブルーイング)
所在地東京都豊島区目白

朝靄のような柔らかな色

グラスに注ぐと、まさにHAZY(濁り)という言葉がぴったりな淡いオレンジ色。白濁した液体の奥に、やさしく光が差し込むような美しさがある。泡はきめ細かく、ふんわりと軽やか。バードウォッチャーという名前の通り、自然と調和する穏やかな佇まいが印象的だった。


南国の森から届いた風

鼻を近づけた瞬間、思わず目を閉じてしまうほど。トロピカルフルーツのアロマが一気に広がり、マンゴーやパッションフルーツ、完熟パイナップルのような香りが次々と現れる。その奥には微かな柑橘の皮、そして松脂のようなグリーンなニュアンスも。まるで深い森の中を、鳥のさえずりとともに歩いているかのような感覚。


柔らかさと苦味のコントラスト

口当たりはとてもなめらかで、シルキーとすら感じる質感。ジュースのようにフルーティーで、マンゴースムージーのようなトロみすらある。それでいて、後半にはしっかりとホップの苦味が顔を出し、全体をピリリと引き締めてくれる。甘すぎず、ドライすぎず、絶妙なバランス。派手すぎないが、印象深い味わいだった。


ペアリングにおすすめしたいもの

Birdwatcherの濃密な果実感と柔らかさを引き立ててくれるフードを選んでみた。

  • 鶏の唐揚げ(スイートチリソース添え)
  • タイ風グリーンカレー
  • フルーツと生ハムのカプレーゼ
  • スモークサーモンのサラダ
  • パッションフルーツのチーズケーキ

甘辛、酸味、スパイス…さまざまな味に寄り添う懐の深さが、このビールのもうひとつの魅力だ。


星評価(黄色の星付き+コメント付き)

項目評価コメント
見た目⭐️⭐️⭐️⭐️⭐️淡いオレンジ色とにごりのコントラストが美しく、泡の立ち方も上品。
香り⭐️⭐️⭐️⭐️⭐️南国の果実を思わせるトロピカルなアロマ。マンゴーやパイナップルが華やかに香る。
味わい⭐️⭐️⭐️⭐️⭐️なめらかな口当たりと濃密な果実感、後半の苦味のバランスも絶妙。
喉ごし⭐️⭐️⭐️⭐️☆しっかりしたボディだが飲み疲れず、ゆっくりと味わえる心地よさがある。
総合評価⭐️⭐️⭐️⭐️⭐️全体の完成度が非常に高く、香りと味が静かに響き合う、知的な魅力のある一杯。

知的で静かな冒険のようなビール

Birdwatcherという名前に込められた静かな観察者としての姿勢。それは、派手さではなく、丁寧に積み上げた奥行きのある味わいとしてビールに表れている。

インクホーンのビールには、ストーリーがある。語りすぎず、それでも確かな余韻を残すこの一杯は、まるで自然の中で耳を澄ましながら過ごす休日のようだった。


最後に

INKHORN BREWING「Birdwatcher」は、ヘイジーIPAというスタイルを通して、香りと味の多層的な表現を見事に描いているビール。名前に込められた哲学とともに、飲むたびに新しい景色を見せてくれる。日常の喧騒から少し距離を置きたいとき、この一杯がそっと寄り添ってくれるかもしれない。


※未成年者の飲酒は法律で禁止されています。お酒は20歳になってから、適量を守って楽しみましょう。

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