春の記憶が瓶に宿る──網走ビール「桜ドラフト」

網走ビール株式会社


※当ブログでは20歳以上の方を対象に、適切な飲酒の楽しみ方を紹介しています。未成年者の飲酒は法律で禁止されています。

北海道・網走から届いた、春の風を思わせる一本。
その名も「桜ドラフト」。ピンク色のビールというだけで、なんだか心が浮き立つ。花見の記憶がそっと甦るようなビール体験だった。


✅ 基本情報

項目内容
スタイルオリジナルスタイル
アルコール度数5.0%
色合い淡い桜色
特徴桜葉エキスによる春らしい香りとやさしい味わい
醸造元網走ビール株式会社
所在地北海道網走市南6条西2丁目2番地

花咲くような色に惹かれて

グラスに注いだ瞬間、視界をふわっと染めるのは淡い桜色。
透け感のある優しいピンク色は、まるで薄紅の花びらが水面に舞っているよう。泡は白くてきめ細かく、短めながらふんわりとした立ち上がり。パッケージのラベルもどこかノスタルジックで、手に取るだけで春を感じられるビールだ。

この色合いは、天然の桜葉エキスから来ているとのこと。人工的なピンクではなく、どこか植物由来の自然な色味に安心感がある。


春風を想わせるやさしい香り

香りをひと嗅ぎ。
控えめながら、桜餅を思わせるようなふんわりとした香りが鼻をくすぐる。塩漬けの桜葉に通じる香ばしさや、柔らかな甘みが感じられる。モルトの優しさと合わさって、どこか和菓子にも似た印象を受けた。

ホップの主張はほぼないが、それが逆に桜のニュアンスを引き立てている。クラフトビールというよりは、“和の季節飲料”としての顔が強い。


飲むたびに感じる「春のおだやかさ」

口に含むと、その柔らかな印象が続く。
アルコールは5%と標準的だが、苦味はごく控えめで、桜の葉のやさしい渋みと塩味がじんわりと広がっていく。カラメルモルトのような微かな甘みが後味に残り、決して単調にならない。

味の構成はシンプルながら、季節感の演出は見事。桜餅をかじったあとに熱い緑茶をすする、そんな情景が頭に浮かぶような飲み心地だった。

ビールが苦手な人にも飲みやすく、特に甘口の日本酒やフルーツ系ビールが好きな人にはハマる一本かもしれない。


桜色のビールに寄り添う食べ物たち

このビールは、味よりも雰囲気を楽しむもの。
だからこそ、ペアリングも「味の相性」より「空気の調和」を大切にしたい。

■ 相性の良いペアリング

  • 桜餅や塩豆大福などの和菓子
  • 鯛の塩焼き、だし巻き卵といった和食
  • 軽めの白カビチーズ
  • 春キャベツのサラダや浅漬け
  • 花見弁当のお供として

甘さや塩気のある和のおかず、そして自然の香りを活かした料理が、この桜ドラフトにはよく似合う。


⭐️ 星評価(黄色の星とコメント付き)

項目評価コメント
見た目⭐️⭐️⭐️⭐️☆透き通る桜色が美しく、春の情景を感じさせる一本。
香り⭐️⭐️⭐️⭐️☆桜餅を思わせるやさしい香りが和の趣を漂わせる。
味わい⭐️⭐️⭐️☆☆苦味が少なく、ほんのり塩味と甘みのバランスが絶妙。
喉ごし⭐️⭐️⭐️⭐️☆軽やかで飲み疲れしない、心地よい口当たり。
総合評価⭐️⭐️⭐️⭐️☆飲みやすさと季節感を兼ね備えた“春を味わうビール”。

季節を飲む、という体験

クラフトビールといえば、ホップの香りや苦味の豊かさを競うような世界もあるけれど、桜ドラフトはその真逆。
強さより、やさしさ。
個性より、空気感。

網走という土地がもつ、ゆったりとした時間や自然との調和をそのまま瓶に詰め込んだようなビールだった。四季を大切にする日本だからこそ、こういう“季節の飲み物”が許されるのだろう。

本気でビールを味わいたいというよりは、ふと春の名残を感じたいとき、誰かとゆっくり語らいたいときにそっと添えたくなる一本。


まだ少し肌寒い春の日に

このビールを開けた日は、ぽかぽか陽気ではなかった。
それでも、桜の香りがグラスから立ち上ると、心のなかに春が咲いたような気がした。
夜桜の下で飲むのもいいし、もう花が散ったあとに思い出を味わうのもいい。

「桜ドラフト」は、ただのビールではなく、春の記憶に寄り添ってくれる一杯だった。


※未成年者の飲酒は法律で禁止されています。お酒は20歳になってから、適量を守って楽しみましょう。

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