淡いコクが導く、午後の穏やかさ

黄金井酒造(さがみビール)


※当ブログでは20歳以上の方を対象に、適切な飲酒の楽しみ方を紹介しています。未成年者の飲酒は法律で禁止されています。

さがみビール ペールエールを飲んでみた

神奈川県相模原市の地で、クラフトビールを手がけ続けてきた老舗ブルワリー「さがみビール」。その中でも定番として根強い人気を誇るのが、この「ペールエール」だ。アメリカンタイプに分類されながらも、どこか和やかで親しみやすいキャラクターを感じさせる一杯。
この日は、午後の光が窓辺に差し込む静かな休日。そんな時間の中でこのビールを開けてみた。


🍺 基本情報

項目内容
スタイルペールエール
アルコール度数5.0%
色合い琥珀がかったゴールデン
特徴柑橘系ホップの香りとモルトのバランスの良さが光る、クラシカルな味わい
醸造元黄金井酒造(さがみビール)
所在地神奈川県相模原市中央区

琥珀色の誘惑がグラスに満ちて

王冠を開けてグラスに注ぐと、透き通るような琥珀色が広がる。透明感がありながらも芯のある色味で、赤みがかったオレンジブラウンは目にも柔らかい。
泡立ちは比較的穏やかで、きめ細かく持続性がある。ビールの縁には小さな泡の輪が残り、グラスにゆるやかにレース模様を描いていく。その姿は、まるで昔の映画に出てくる喫茶店のレトロなクリームソーダのような、どこか懐かしい印象を残す。


鼻に届く、やわらかな香りのレイヤー

グラスに顔を近づけると、まず香ばしいモルトのアロマがほのかに立ちのぼる。その奥に、柑橘やハーブのような控えめなホップの香りが寄り添っている。
強烈さはないけれど、層をなして広がってくるような複雑さがある。オレンジピール、少しの白胡椒、そしてパンの耳の香ばしさのよう。どれもほんのりとしたニュアンスながら、まとまりよく心地よい。クラフトビールらしい個性がありながらも、万人に優しい設計を感じる。


穏やかに、じわりと広がる味の輪郭

口に含んでまず感じるのは、優しいモルトの甘み。次いで、控えめながらも輪郭のある苦みがゆっくりと広がっていく。
ホップの苦味は、舌の中央からじんわりと押し寄せ、決して尖らず、ふわりと消えていく。ボディはミディアムライトで飲みやすく、喉を滑る感触もなめらか。炭酸は強すぎず弱すぎず、ちょうど良いバランス。
一杯目にして「次も飲みたい」と思わせる、そんな中庸の美学が詰まっている。


一緒に食べたい、あの味この味

このペールエールの柔らかい味わいは、主張の強すぎない料理と特に相性がいい。ビールの持つ香ばしさや柑橘系の香りを活かすペアリングを考えてみた。

◎相性の良いペアリングリスト

  • 焼き鮭と大根おろし
  • 鶏の塩麹焼き
  • ポテトサラダ(マスタード少なめ)
  • 軽めのチーズ(カマンベールやモッツァレラ)
  • バターを効かせたトーストやベーグル

どれも日常の中で手に入りやすいものばかり。そんな中で飲むこのペールエールは、普段の食卓を少しだけ豊かにしてくれる。


⭐ 星評価(黄色の星)

評価項目評価
見た目⭐⭐⭐⭐☆(4.0)
やや濁りのあるゴールド。泡立ちも良好で、食欲をそそる色合いです。
香り⭐⭐⭐⭐☆(4.0)
柑橘系ホップとモルトの穏やかな甘さが混じり合う、優しい香り立ち。
味わい⭐⭐⭐⭐☆(4.0)
グレープフルーツやオレンジを思わせる苦みと、パンのようなモルト感が絶妙に同居。
喉ごし⭐⭐⭐☆☆(3.0)
軽やかで飲みやすく、喉をすっと通る。余韻は控えめ。
総合評価⭐⭐⭐⭐☆(4.0)
毎日の晩酌にも、休日ののんびり時間にも寄り添う、安心感ある一本。

日々の中に、そっと寄り添うクラフトビール

このビールを飲んで感じたのは、「奇をてらわない誠実さ」だった。クラフトビールというと、濃厚な味わいや高アルコールのもの、派手なホップ香が注目されがちだ。だが、このさがみビールのペールエールは、そのどれでもない。
けれど、だからこそ良い。
誰にでも勧めやすく、飲む人のその日の気分を邪魔しない。むしろ、静かに彩ってくれる。そんなビールがあることを、あらためて思い出させてくれた。


穏やかな時間が流れる、その中に

目を引くラベルデザインもないし、味のインパクトも決して派手ではない。だけど、だからこそ“いいビール”というものがある。
さがみビールのペールエールは、そんな存在だった。
休日の昼下がりに、家のベランダで。あるいは、気心知れた友人と語らいながら。日々の中で、肩の力を抜いて付き合える一杯。
ふとした瞬間に、また思い出して手に取りたくなるような、やさしさに満ちたビールだった。


※未成年者の飲酒は法律で禁止されています。お酒は20歳になってから、適量を守って楽しみましょう。

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